懸念のSaGa


バーバラ「所で、昨日、ニューロードを下る時にあたし、クローディアを見かけた
     んだよ。」
シフは驚いた表情をした。
シフ「クローディア?何で彼女がこっちにいるんだ?」
シフは以前にクローディアと共に旅をした仲間の一人である。
彼女は今、再び迷いの森で番人をしているはずである。
育ての親のオウルと共に。
シフ「どうして、こんな危険なところに・・・
   一人でか?」
クローディアは絶対に自ら危険を犯すような事はしない。
冷静に物事を運ぶ慎重な性格の持ち主のはずだ。
ナタリー「いや、もう一人女の子と一緒だったよ。
     ほれ、あれ・・・
     ナンだっけ、ほら・・・」
バーバラ「ああ、あの髪が映えるような緑の何だか異常なまでの威厳と気品の
     ある娘でしょ。あれ、名前は・・・」
先に名前を思い出したのはシフだ。
映えるような緑の髪、人間離れしたあの風格の女の娘・・・
思い当たる人物が、一人しかいない。
シフ「・・・アセルス?」
ナタリー「そうそう、そんな名前の子!」
喉に支えていたものがとれたかのようにすっきりした気持ちになり、ナタリーは
大仰に声を上げた。
バーバラ「・・・シフ、面識があるの、その娘と?」
バーバラが懸念そうな面持ちになる。
シフ「ああ・・・」
そして、シフの視線はアニーやプルミエールらに向けられる。
アニー「どうかしたの?」
シフ「いや・・・彼女も、ここにいるみんなと同じようにここの世界とは違う
   世界から来たらしいんだ・・・」
プル「では、そのお方は、どうしてウエストエンドに向かおうとしているのでしょ
   う?」
バーバラ「分からない・・・けど、あの娘から感じるオーラは、普通の人間を
     遥かに超えている、それだけは、確かだ。」
アニー「・・・取り敢えず、会ってみない事にはね・・・」
アニーの一言は、その場にいる全員の感想だった。
07/08/2001