秘境のSaGa


アセルスとクローディアは迷っていた。
クローディアの話から察するに、ピラミッドへ入る手段を探すための時間はそう
長くは無いはずだ。
しかし、手がかりも無い。
そんな折、こんな話が舞い込んできたのだ。
「ウエストエンドの秘境には、古代の秘術が眠っているらしい」
西の端と東の端。
その距離を費やすのに果たして本当に価値があるのかどうか・・・
アセルス「迷ってても仕方ない、どうする?私はあなたの判断に任せるよ。」
そうは言ったものの、アセルスにも分かっていた。
当のクローディア自身が一番その事を悩んでいる事は。
しかし、徒に時の流れを過ごしてしまうのが、一番の無駄だ。
クローディアは選択を迫られた。

ナイトハルトの依頼は次のものであった。
ハルト「最近ウエストエンドの秘境に古代の秘術が眠っていると言う話が
    実しやかに流れている。
    私は真実とは思えないのだが、もし万が一事実であり、それが
    サルーインの下部達に見つけられてはそれこそ問題がある。
    私は動く事が出来ないし、兵をみだりに動かせば国の者達に動揺が
    走るだろう。
    だから、君達に頼みたい。
    何かあっても、君達ならば生き残れるだろう。
    頼む・・・」
ウエストエンドの秘境に眠る、秘術。
果たして、それが実在するのかどうかを確かめろと言うのだ。
アニー「まあ、あたしはこの剣を貰えただけでいいんだけどね・・・」
あの時におれた剣の代りに、ナイトハルトはアニーに別な剣を用意させた。
ハルト「これは私の使っていたものよりは若干劣るが、ガーラルを使った
    剣だ。この世界にこれよりも勝る剣はそれほど存在しないだろう。」
振ってみると、やけに軽いが、ひどく強い。
アニー「これで、まだ向こうの方が強かったって言うなら、完全にあたしの
    勝ちだよね・・・」
つい、「常に勝敗は結果だけで決まる、内容は問題じゃない」といつも言っている
アニーですらそう言わざるをえないほどのものだった。
エレノア「でもさ・・・いくら馬車を工面してもらっても、ちょっと遠いわよね
     ・・・だって、西の端っこでしょ?」
ウエストエンドと言うくらいだ。
当たり前である。
クリスタルシティからエスタミルまでの間は馬車を手配してもらった。
が、クジャラートはローザリアと対立する国だ。
ナイトハルトの助力もそこまでしか及ばなかったのだ。
しかし、彼女らがこうしてわざわざ足を運ぶのには、理由があった。
ネメシスである。
ネメシス「・・・私達は、そこに行くべき定めです・・・」
ネメシスがそう言ったのだ。
行かないわけにはいかない。
グスタフ「・・・秘境か・・・」
プル「・・・なんだか、久々に冒険感を味わってるわね・・・」
07/07/2001