妙縁のSaGa


兵士長「・・・と言うわけだ。」
プル「成る程・・・それで、シフさんがモンスターを成敗し、兵士長
   さんに評価されたわけですか。」
シフ「あたしもちっとばっかり怪我しちゃってね。動けなくなってるところ
   に兵士長さんが来てくれたってわけさ。」
グスタフ「成る程・・・興味深い話だ。」
兵士長「あの後、私は我が兵士達の心の弱さを恥じましてな。
    しかし、今になっても心は弱いままだったのですか・・・」
兵士長は落胆のため息をつく。
シフは肩をすくめた。
シフ「まあ、昔話は後で酒でも飲んでゆっくりしよう。」
エレノア「私たちはどうすれば?何か咎められたりする?」
エレノアが全く話す内容とは裏腹に尊大な態度で話す。
兵士長「シフ殿達のお仲間なら、信用に値しましょう。
    こんばんは、私が宿を手配しますので、ゆっくりお休みになって
    下さい。あと・・・」
エレノア「あと?」
兵士長「・・・すみませんが、今晩、あなたと二人でお話ししたいことが。
    今宵、ミルザの神殿の前で・・・」
エレノアはその時兵士長から何かを感じたが、気にしないことにした。

そして、夜。
エレノア「兵士長さん?」
兵士長「・・・」
兵士長は闇の中で、無言で手招きをしている。
エレノアはその態度を不思議に思ったが、彼に従うことにした。
エレノア「・・・どうしたの?」
兵士長は暫く無言でエレノアの表情を見つめていたが、おもむろに
彼女に手にしていた棍棒で殴りかかった。
エレノア「ッ・・・!何するのよ!」
近くに転がっていた何かの棒を手に取り、兵士長の棒さばきを
エレノアの棒さばきが見事に受け流す。
数分、打ち合うこと。
エレノアは不思議と懐かしい感覚にとらえられた。
エレノア「・・・なんか、おかしいわね・・・」
全くこの世界の流儀は知らないはずだ。
が、目の前の兵士長の繰り出す技を尽く彼女は受け流すことが出来ていた。
おかしい、何処かで、自分はこの技を知ってる。
兵士長「・・・まだ、気が付かないか?」
兵士長が身を翻し、会心の一撃をエレノアに打ち付けようとする。
確か、この技は・・・
エレノアには覚えがあった。
エレノア「・・・・・・・・・・・・・」
あっ!
突然、彼女の脳裏に豆電球が灯る。
あまりに身近にいた人の一人だったので、こんな異世界で遭えるなどとは
思えなかったのだ。
灯台もと暗し。
エレノア「あんた、パトリック!!!???」
03/10/2001