兵士のSaGa


プル「前回のタイトル、『の』が抜けてたわね。」
エレノア「作者、バカだから・・・」
兵士「お待たせしました。殿下がお会いになるそうです。」
シフ「ほら、行くよ!」
エレノア「ふぅ・・・」

兵士を叩き伏せた後、兵士長なる人物が現れた。
逃げ帰った兵士が連れてきたのである。
シフ「あっ・・・!」
シフがその姿を認めると、向こうもシフに気が付いたようだ。
兵士長「シフ殿ではないか!どうしたのだ?」
シフ「どうもこうも・・・ちょっとしたいざこざがね。」
兵士長「ううむ・・・シフ殿ともあろう人が、ただの一時の感情で
    喧嘩をするわけなどあるまい。詳しい話を聞こうか。」
兵士「へ、兵士長!?」
兵士長を連れてきた兵士は顔を青ざめさせる。
兵士長「お前もだ。私に嘘の報告をしていたら、ただではすまんぞ・・・」
宮殿の一室で、そうして兵士達とシフ達、そして兵士長が会談をした。
シフ「元々悪いのはこのエレノアなんだけどね。こいつがローザリアが
   戦争をするなんて事を大声で言うから、兵士が集まってきたん
   だよ。」
兵士長「むう。それは・・・」
シフ「まあ、確かに発端はこっちさ。あんた達が民に戦争のことは事実
   にせよ誤にせよ、不安を広げさせないために圧制しているのは
   わかるし、風紀を乱したって言って兵士に咎められるのは
   無理もない。」
兵士長「それでは、シフ殿は自分たちが悪いとおっしゃってるのですか?」
兵士長の目が険しく光る。
シフ「まあね、そこの所はあたしらが悪かったさ。
   でも、あたしがやったのは別の理由さ。」
兵士長「別の理由?」
シフ「ああ。兵士長さん、兵士ってのはどれくらいの権力を持ってる
   ものなのかい?」
兵士長「権力?兵士には権力はない。あるのは殿下から下された命令や
    法を行使する義務が与えられているだけだ。」
シフ「傲慢なことにあたし達を町人の分際なんてぬかす兵についてはどう
   思う?あたし達に対する侮辱じゃないよ。その兵は自分の方が
   町人よりも格上だから逆らうなっていってたんだよ!
   しかも、自分が言うから正しいなんて傲慢なことまで言う始末。
   殿下ならまだしも、一介の兵士がそんな偉そうなことを町人に
   言う事って許せるの?」
シフが厳しい眼で兵士長を睨み返す。
兵士長は暫く目を閉じていたが、やがてため息をついた。
兵士長「・・・確かに、そう言ったのか?」
兵士「そんなことは根も葉もない話ですっ!我々は全く言いがかりを
   付けられて・・・」
兵士長「どちらの方が信用にたるかは、私の目を見て言えばよい。」
シフの方は真っ直ぐに兵士長を睨んでいる。
それに比べ、兵士の方は額に汗がにじみ、半ば目を逸らそうとしている。
兵士長「わかった・・・残念だが、今回のことはこちらに非があったよう
    だったな。栄光あるローザリアの兵がそのような民に対する
    暴言を吐いたことを、私の方から民に謝罪して置かねば
    ならんな・・・」
兵士長は一息ついて、付け足した。
兵士長「そなた達は、見たところ旅のものだ。そのようなものに看破される
    のであるなら、戦争に関することも長らくこの地に住む民なら
    既に気が付いていような・・・」
兵士「へ、兵士長・・・」
情けない声を出す兵士に、兵士長は一喝した。
兵士長「黙れ!お前達が傲慢に街をうろうろするから余計な心配を
    民に抱かせていることもわからんか!」
ひっ、と情けない声を出して、兵士達は口ごもる。
兵士長「いやはや情けない。シフ殿のような戦士がこのローザリアにいれば
    あるいは・・・」
シフ「・・・悪いけど、あたしにその気はない。って、何度言ったかな?」
兵士長「そうだな、アレは2年前か・・・」
03/02/2001