紙切れのSaGa


プル「そうですね・・・たしか、アレは・・・」

リッチ「ん・・・?何だ、誰もいないじゃないか。」
ウィル「人の住んでる気配はあるが・・・でも、人気はない。」
ジニー「ホントにここで良いの?」
ナイツの血筋が、先だってプルミエールの案内した小屋を見回す。
プル「私の聞いた話だとここのハズだけど・・・」
ロベルト「俺も間違っていないと思うけど・・・」
暫くすると、ウィルの声が聞こえてきた。
ウィル「みんな、ちょっと来てくれ!」
ウィルが見つけたのは、小さな紙切れだった。
コーディ「何・・・?」
ウィル「見てくれ。」
紙切れには、小さな字で何かしらの古代文字が記されていた。
ウィル「これは、エレノア本人が書いた物なのか?」
隣から、リッチがそれをひったくる。
リッチ「・・・ああ。こいつはエレノアの字だ。間違いない。」
ウィル「本当か?」
リッチ「オヤジ、俺はエレノアとのつきあいは長いんだよ。」
ひったくった紙を、ウィルに返す。
ジニー「むー・・・パパ、おじいちゃんに失礼じゃない?」
リッチ「大丈夫だよ。おじいちゃんはそんなに器量の狭い人間じゃないさ」
ウィルは答えを返さなかった。
ウィル「誰か・この文字を読める者は居ないか?」
グスタフ「・・・タイクーン。ここに、辞書がある。」
ジニー「グスタフ、鼻が利くね〜」
ロベルト「ちぇっ、グスタフめ、ポイント稼ぎやがって。」
とりあえず、辞書で解読を試みた。
その役割には、プルミエールとグスタフがあたった。
プル「私とグスタフが解読している間、みんなは少し休んでて。
   いろいろ話をして落ち着かなきゃいけないこともあるでしょう?」

プル「それで、解読が終わって、私がその解読した言葉を言ったら・・・」
グスタフ「ここにいたというわけだ。」
エレノア「へー・・・私がそんな言葉を調べてたなんてね・・・」
カタリナ「で、その言葉は何なのですか?」
プルミエールは首を振った。
プル「もう、私たちの頭には残っていない。多分、アレは使い捨ての
   転移術だったのでしょう。言葉がちからとなった瞬間――」
エレノア「その言葉は存在を失う、という訳ね。
     良くできたメカニズムだわ・・・」
感心しているのはエレノアだけで、後の人物は半数以上が話の
展開を理解できずにいた。
グスタフ「・・・とりあえず言えるのは、私たちには今のところ
     帰る方法がないと言うことだ。」
エレノア「それは、でもいずれは帰らなくてはいけない事態になるかも知れ
     ないわよ?あのね、これは・・・」
エレノアが口を開きかけた瞬間、ネメシスがその口を塞ぐ。
エレノア「ふがふが!?」
ネメシス「エレノアさん、今はその話をするべきではありません。
     今は、この世界のことをもっと良く知るべきです。」
エレノア「ふが!」
首を二三度縦に振ると、ネメシスはエレノアの口から手を離す。
エレノア「ネメシスって、しかしなんて力してるのよ・・・」
少し息を荒ばせ、むせる。
エレノア「あー、悪いんだけど、今ここで話しててもちょっと仕方ないから
     さ、外に出ていろいろ見て回りたいんだけど。
     誰か、案内してくれる人いない?」
03/01/2001