目処のSaGa


少し、時間的には前後するが。

ハリード「信じられねぇ・・・」
ウォード「それはな・・・」
空間を越えてきたことは、最早二度目であるから驚くこともない。
しかし、博士やディオールから伝えられた事実は、やはりすぐには信用
し難いものがあった。
ハリード「元々世界は一つだっただと・・・!?」
ウォード「しかし、それがまだ事実と断言できないと博士は言っていたでは
     ないか。彼らもまた憶測の域を出ていないのだ。」
ハリード「でもよ、それが事実だとしたら・・・」
ウォード「ああ。魔王や聖王なんかはどうでも良くなるくらいの恐ろしい
     事実が歴史に隠されてるって事だな。」
用意された部屋で、男二人はあまりに大きい衝撃の事実を頭の中で
整理しようとしていた。
ウォード「何だ?」
ドアをノックする音が聞こえる。
ライザ「二人とも。コーヒーが入ったわ。」
ライザの落ち着き払った声が聞こえてくる。
ハリード「入ってくれ。」
ライザ「では、お邪魔するわ。」
ライザの服装はいつもより更に軽装だ。
多少羞恥心が欠如しているのか、薄手の羽衣一枚で済ませている。
しかし、そろそろライザとのつきあいもわかってきた男二人は、
このライザの様子が何を表しているか悟っていた。
平静を装っているが、ライザは内心が整理が付かずに複雑だった。
薄手の服を着れば、男は嫌らしい眼をする。
すると、殴る口実が出来る。そのためだ。
ともかく、今の彼女は、何かに当たらないときがすませられない状態なで
ある。
ライザ「エレノアが目を覚ましたわ。」
ハリード「丸一日寝てたからな・・・」
ライザ「今、アニーとなんだか雑談してるようだったけど・・・」
ハリード「アニーの方はどうなんだ?」
ライザ「アニーなら全然問題ないわよ。あの人、いらない精神ばっかり
    太いから。」
ウォード「・・・」
ハリード「ん?ウォード、どうした?」
ライザが部屋に入ってから一言も口を開こうとしないウォードに、
ハリードが声をかける。
ウォード「ああ、いや、気にしないでくれ。」
声も小さくなる。
二人は首を傾げたが、真実は、ウォードの心にあるだけだった。
ウォード(・・・これは、マジだぜ、俺・・・)

エレノア「クエーサー博士?」
クエーサー「何じゃ、エレノア。起きたのか?」
エレノア「ええ。アニーもここにいるわよ。」
アニー「アタシの身体に触ったら今度はぶったぎるからね!」
クエーサー「おおっ、怖い怖い・・・」
エレノア「冗談は止めてよ、もう。ちょっとマジな話よ。」
02/28/2001