マミ「うそっ・・・!」
アルベルトとアイシャは既にマミのことなど目に入っていなかった。
彼らは、神王教団の信者となってしまっていたのだ。
マミ「魔力を感じる・・・!」
マクシムスから、非常に大きい魔力を感じる。
近くにいるアルベルトやアイシャは多分、この魔力に当てられたのだろう。
マミ「洗脳波・・・」
間違いない。これは、洗脳だ。
サラ「くるっ!」
サラが大きく目を見開くと、教団のアジトの一部が突然爆発を起こした。
その爆風から現れる一つの影。
マミ「っ・・・!」
サンダーで小規模の爆雷を起こし、マミは脱出をはかったのだ。
最早、アルベルトやアイシャのことは考えてはいられない。
決心を早めたのは、マクシムスの眼だった。
マミ(・・・!こいつ・・・!)
マクシムスは、笑っていた。
マミの目を見て。彼はマミには洗脳波が届いていないことに
気が付いていたのだ。
彼の目は、あからさまにこう語っていた。
マクシムス(貴様の仲間はもう俺のものだ!残念だろう!?)
そして、マミは逃げたのだ。
トーマス「あの娘は!?」
サラ「とりあえず、助けましょう!」
マミに次々と教団の信者達が躍りかかる。
魔法を使おうとしたが、相手は人間だ。マミの魔力をまともに受けた
時点で、よほどの抵抗力のないものは死んでしまうだろう。
普段なら手加減も出来ようが、状況が状況の上、彼女はまだ
子供なのだ。恐怖が先行する。
トーマス「大丈夫かっ!?」
トーマスが手にしている槍の石突きで、マミに躍りかかる信者達を
うち払う。
マミ「あ、ありがとうございます・・・」
思わぬ助けに、マミは一瞬安堵で気を失いかける。
が、後ろから迫るアイシャとアルベルトの無表情な様子を見ると、
気が立った。
マミ「ああ・・・」
サラの放った弓が、アルベルトとアイシャの足を止める。
サラ「トーマスさん、今の内に・・・」
トーマス「ああっ!」
トーマスは軽々とマミを抱え込み、サラと旧市街からかけ出ていった。
マクシムス「ふふふ・・・あの小娘、もしや・・・」
後には、マクシムスの不気味な笑い声が残った。
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