恐竜のSaGa


マミ「ななななななな、何あの馬鹿でかいのは!」
アセルス「うっわー・・・」
クローディア、アルベルト、アイシャも穴の中へとはいる。
そこにいたのは、小さな少女の姿二つと、とてつもなく大きな生き物。
クローディア「恐竜!?」
アル「知ってるのか!?」
クローディア「知ってるも何も・・・そうだわ、ここは、恐竜の巣
       だったのよ!だから。他の魔物達は・・・」
アイシャ「その恐竜って、どういうのなの?」
クローディア「遙昔に存在した戦闘種族・・・
       猛獣の巨人版って所かしら。
       人間なんかが、到底かなう相手じゃないわ・・・」
恐竜は、鼻息荒く侵入者達を睨めている。
その眼光は既に殺気に満ちていて、誰ならずとも、生命の危機を
容易に察知できる。
アル「逃げないと・・・」
一匹だけではない、徐々に数体が集まってくる。
奥の方に、巨体が幾つも。
アセルス「へー・・・面白いじゃない、最近手応えがないのばっかり
     だったから、少しは楽しめそうだね。」
そう言って、アセルスは手にした幻魔を一振りする。
恐竜「!!」
恐竜は、その仕草に確かな恐怖を抱いたらしい。
遙か昔、地上を征服していた生物たちが本能的に恐れる存在。
アイシャ「なんか、恐竜たち、怖がってない?」
アセルスの殺気がますにつれ、恐竜たちの眼から殺気が消える。
アセルス「・・・なんか、おかしいね・・・」
恐竜たちの様子にアセルスも疑問を抱き、幻魔を懐へとしまう。
膨れ上がった殺気も消える。
アセルス「・・・アイシャ、あなたはこの恐竜たちと話せると思う。
     大地の民の一員でしょ?」
そう言って、アセルスは一歩引き、アイシャを前に押し出す。
アイシャは恐怖を顔に浮かべたが、アセルスに強く押され、前に進む。
アセルス「大丈夫、あなたを襲おうとする恐竜はいないわ。」
アイシャ「うん・・・」
アイシャが恐竜と近づくに連れて、恐竜は何やらその巨体に似つかない
か細い声で鳴き始めた。
アイシャ「・・・わかるよ、わかる・・・あなた達が何を言いたいか、
     私、わかるよ。」
とはいえ、クローディアもアルベルトもマミもアセルスも、アイシャと恐竜
のやりとりなど理解できるわけではない。
まして、アイシャはタラール族の言葉を話し始め、いよいよ誰も
話の内容を理解できなくなっていた。
クローディア「森の声なら聞こえるんだけど・・・」
暫く話しあっていたが、なにやら話は終わったらしい。
アイシャが踵を返してこちらに戻ってくる。
アル「何だって?」
アイシャ「てっきり、卵を奪いに来たものだろうって思って、びびらせて
     追い返すつもりだったんだって。
     でも、アセルスさんの雰囲気がなんだか違うようだったから、
     本能的に争うことをやめようと思ったんだって。
     でも、それからして気が付いたらしいんだけど・・・」
恐竜たちが、巣の奥へと引き返していく。
アイシャ「ついてきて。奥に見せたい物があるって。」
一同は訝しくおもったが、アイシャが元気そうだし、アセルスもいることだ
大丈夫だろう、と奥へと進んだ。
02/15/2001