華園のSaGa


とりあえず、落胆した一行は船で新天地を目指すことと相成った。
マミ「うわぁ、船船ふね〜〜〜〜!!」
生まれてこの方船には乗ったことがないらしい。
マミはかなりはしゃいでいる。
クローディア「でも、メルビルからジェルトンに行っても、何か
       あるんでしょうか?」
アル「うーん・・・でも、全く手がかり無いからなぁ。」
アセルス「世界中を旅するつもりなの?」
アイシャ「また旅が出来るね!」
アル「でも、一回あらかた全世界を旅したしなぁ・・・」

ジェルトンは、吃驚することに魔物に溢れかえっていた。
クローディア「・・・どういうことでしょう?」
アイシャ「一年前まではこんな事無かったよ!」
船乗り「いや、先週までもこんな事無かったですよ!」
つまり、ここ二、三日でモンスターがこの街を乗っ取ったと言うことになる
のである。
アル「とりあえず、船から下りたら街を突っ切るぞ!」
モンスターの強さ自体は大したことがなかったものの、如何せん、数が
多すぎた。
全てを相手にするだけで、かなり疲弊してしまうだろう。
アイシャ「あー、もう、何でこんな事になったのかしら!」
クローディア「もうすぐ、街を抜けます!」
街を抜けると、確か、華園が広がっていたはずだ。
あそこは割とモンスターが住み着きにくく、安全だろう。
あそこの華園に咲く花の香りは、モンスターの厭がるものらしい。
アル「とりあえず、華園まで退避だ!」

アセルス「ああ、綺麗な華園だね。」
辺り一面に広がっている花。
自然の息吹が、そこにはモンスターの毒に侵されることもなく芽吹いている。
アセルスは妖魔の身体を得てから、どうしてか美しいものに対する
理解感が人間の時よりも増したようだ。
やはり、それは妖魔の本能なのか。
クローディア「モンスターも、殆どいませんね。」
アイシャ「うん、でも、この花の香だけで、あんなにモンスター達が
     いるのに、寄ってこないのはどうしてだろう?
     中には、鼻の利かないのとかもいるんじゃないの?」
アイシャの指摘はごもっともだ。
一同ははっとした。
アル「そう言えば・・・噂だけどな、ジェルトンの華園には、
   古代生物が生きてるらしいんだ・・・」
アセルス「あの、巨人族みたいな?」
アイシャ「巨人族?」
アル「ああ、その話はまた後でするけど・・・
   多分、それよりももっと・・・」
アルベルトが何やら深く考え込もうとすると、マミが何やらはしゃいでいる。
マミ「ねぇねぇ!なんか、おっきな穴が開いてるよ!!」
こんな華園に大きな穴が開いている。
考えてみると不気味な話だ。
アセルス「入ってみる?」
マミ「うん!」
マミとアセルスは二人で早々と穴の中に入っていく。
他の三人は、その二人を暫く見つめ・・・
マミ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
マミの叫びが、華園に木霊する。
2/15/2001