方法のSaGa


一行は、ピラミッドに向かい、引き返すハメになった。
と、言うのは。
アセルス「なにこれ?」
アイシャ「小さすぎますね・・・」
入り口は、小人が入れる程度の大きさしか開いていない。
こじ開けようとしても、全く開こうとしない。
大地の剣でも、アセルスの力でも、マミの魔力でも、全く。
マミ「ここには、古代の魔力が特殊なメカニズムによって編成され、
   作用してます。多分、これは神の力によるものかと・・・」
それも、うなずけた。
とりあえずクローディアとアイシャが言ったピラミッドの場所は、
クローディアが知っていたのだったが、入る方法までは知らなかった。
しかし、森の神シリル、そしてエリスが言った事となると、やはり
ここには何かがあると見てしかるべきだ。
とりあえず、しかし、入ることは出来ない。
方法を探すしか、する事はなかったのだ。

一行はメルビルに戻り、世界一の図書館へと向かった。
ここならば、何か手がかりが・・・
アセルス「うーん、文学書の所だね、この辺は・・・」
マミ「術の成り立ちと原理?非常に興味深いですけど、今は・・・」
クローディア「ピラミッド、ピラミッド・・・」
五人は日が暮れるまで、図書館中の本を探した。
が、それらしいことは全く書かれていない。
せいぜい、ピラミッドの場所を記してあるくらいで・・・
アル「あー、もういやだ。本ばっかり見て、眼が痛くなってくるよ。」
閉館時間が迫ってきた。
警備の人にそろそろ閉館だ、と言われ、辺りに投げ出したままの本を
丁寧に収めていく。
明日も、探す気にはなれなかった。
アル「もううんざりだよ・・・」
うっ、と少し気を抜いた瞬間、脚立に立っていたアルベルトの体のバランス
が崩れ、本棚とぶつかる。
アル「う・・・うわぁ!」
避けられず、本もろとも、追突。
クローディア「どうかしたの!?」
ものすごい音が鳴ったようで、辺りから仲間達が駆け寄る。
マミ「あーあ。こんなんなっちゃって、片づける時間、無いよ?」
アイシャ「アルベルト、大丈夫?」
アル「ああ・・・しかし、まずいなぁ。」
雪崩と化していた本の山の中に、ふとクローディアが一冊の書を
目に留めた。
クローディア「・・・これは・・・まさか・・・」
手に取り、表紙を見る。
そこにはこう書かれていた。
〔神の遺物、ピラミッドの全て〕
クローディア「これだわっ!」
アセルス「え?じゃあ、その本に書いてあるの?」
アイシャ「え???じゃあ、アルベルトのおかげ!?」
マミ「怪我の功名かな?転んでもただでは起きぬかな?
アル「とにかく、良かった・・・」
一同は期待を胸に、クローディアが最初の1ページを開くのを待った。
そして・・・
沈黙。
マミ「どうしたの?クローディアさん?」
マミの問いかけにも、クローディアの応答はない。
アイシャ「クローディアさん?」
クローディアは、何とも悲しい声で、言った。
クローディア「よ・・・読めない・・・」
そこには、古代の失われた文字の羅列が、びっしり並んでいたのだった。
02/15/2001