ヒーロー初登場のSaGa


???「とうっ!」
突然、何やら威勢のいいかけ声がしたかと思うと、暗闇でも異様に
目立つ金色カラーリングされたコスプレイヤーのような格好をしている
ただの変態(のようにミリアムには見えた)が飛び出してきた。
ミリアム「あたい、死んでまでこんな変な夢見るのか・・・」
一瞬そう思ったが、どうやら違うようだ。
自分は、まだ生きている。
エレメンタル「グアァァァァァ!!」
かまいたちを放とうとした緑のヤツが、金色の変なヤツが手にした
光の剣で一刀両断にされていたのだ。
リュート「なんなんだ〜?」
???「君たち、大丈夫か!?」
金色の変なヤツは二人に声をかける余裕があるようだ。
赤いヤツが、強風を放つ。
???「とおっ!」
また威勢のいい声を一声発すると、周りにバリヤーが発生した。
???「サイ・バリアはこの程度ではやぶれん!」
金色は超人的な跳躍力でジャンプし、ひときわ大きな声で見栄を切った。
???「正義の力、思い知れ!ブラストナックル〜〜!!」
約5メートル上方から加速された彼の拳の一撃は、赤いエレメンタルの
身体を二つに引き裂いていた。
???「ふうっ・・・終わったな・・・」
リュートとミリアムは、開けた口がふさがらずにいた。
目の前にいる単なる変態にしか見えないヤツが、目の前で見せた
非現実的なまでの強さ。
今の今まで自分たちは死にそうだったことがまるで馬鹿らしく思えてくる。
???「怪我はないかい?」
金色は仮面の下で、きっと微笑んでいるに違いない。
???「私は正義のヒーロー、アルカイザー。
    悪をくじくため、そして市民を助けるために東奔西走している
    通りすがりのヒーローさ。」
無意味にポーズを決めながら、そのヒーローは悠々と言葉を話す。
ミリアムは半ば呆れた。が、命の恩人であることは変わりない。
ミリアム「あー、ヒーローさん、ありがとさん。おかげで助かったよ。」
リュート「あの、ついでに世話をかけるけど、向こうにとんでった
     レッドってのが、かなり重傷なんだけど・・・」
カイザー「ああ、向こうの彼なら既に私の魔力で治している!
     心配は無用さ。さあ、彼に会いに行きなさい!」
ミリアムはふっと感じたのだが、この男、やけに言ってることが
芝居臭い。
ミリアム「・・・怪しいわね・・・」
聞こえるように言ったつもりだったが、ヒーローの耳は自分に都合の
悪いことは聞き流すようになってるようで、全く気に留めた素振りはない。
ミリアム「でも、レッドは心配だから向こうに行ってみよう!」
リュート「ああ〜。」
カイザー「では、君たち!健闘を祈るよ。じゃっ!」
シュッ、とヒーローはお決まりに姿を消してしまった。
ミリアム「・・・」
リュート「・・・」
何だったんだろう、あれは。
とりあえず、二人はレッドの飛んでいった方向に向かった。
02/14/2001