邪悪なる気のSaGa


サルーイン。
太古に封印されし悪神の一人であり、また世界の創造神の一人でもあった・・・
大震剣により瓦礫の中からその姿を顕わにした邪悪なる紋章は、
確かな悪意を放っていた。
アル「アレが原因かっ!?」
アイシャ「凄い邪悪な妖気・・・」
紋章の放つ邪悪なオーラには、アセルスもマミもクローディアも
敏感に反応した。
アセルス「何、アレ・・・」
目に見えるほどの妖気。
その妖気が魔物達の魂をこの世に引き留めているのだ。
クローディア「あの紋章を何とかしないことには・・・」
クローディアが紋章に向かって弓を放つ。
すると。
アイシャ「えっ・・・!?」
ねらいは正確だった。
しかし、矢は紋章に当たる前に空中で燃え尽きてしまっていた。
無論、紋章の力が作用しているのだ。
アセルス「アレじゃダメね・・・」
アル「今度は、僕が・・・」
鋼で出来た強靱な剣を紋章に向かって一突き。
アル「くっ・・・!」
紋章に剣が突き刺さった瞬間、とてつもない妖気がアルベルトの
身体を浸食し始めた。
アル「ああああ!!!!」
耐えきれず、剣から手が放れる。
その瞬間に、剣は乾いた音と共に砕け散っていた。
アイシャ「アルベルト!!」
アイシャが倒れたアルベルトに駆け寄る。
かなりのダメージを受けてはいたが、命に別状はなかったようだ。
ただ、妖気のダメージは簡単には抜けない。
クローディア「私が治療してます・・・」
アイシャ「これなら、大地の剣でもダメそう・・・」
剣じゃなく、人間本人が保たない。
妖気に耐えられる人間でなくては、この紋章の力を奪えない。
・・・
アセルス「私がやる。」
アセルスは一歩前へ出る。
クローディア「でも、そのように鍛えられる人間なんて・・・
       いくらあなたの武器が強くても、あなた自体が
       耐えられないじゃないですか?」
アセルス「この程度の妖気なら、私には問題じゃないよ。」
あまり、あの姿にはなりたくない。
でも、この目の前にいる者達を救うには、これしかない・・・
アセルス「妖魔の剣よ、お願いね。」
突然アセルスの手に生まれた美しくも怪しくもある剣を彼女が
ひとふりすると、アセルスの身体は淡い光を帯び始めた。
アセルス「ふう・・・」
光が収束した後に、その場にいたアセルスの姿は、妖魔寄りのもの・・・
アセルス「さがってて。」
アイシャ「は、はい・・・」
さっきまでとは全く違ったアセルスの雰囲気に気圧されながら、
一行は岩陰に隠れて彼女の動向を見守った。
05/30/2000