加勢のSaGa


マミ「クラウドぉ!!」
マミは手にした呪文書の一ページを破り、空に放つとその紙は
毒霧となって魔物達の身体を包み込む。
マミ「もう呪文書がのこり少ないわ・・・」
アル「くそっ!敵が多すぎる!!」

アセルス「全く、きりがない・・・負ける気はしないけど、エンドレスってのも
     気に入らないしなぁ・・・」
幻魔を一振り、それだけで数体の魔物達は身体を分断され、真紅の
剣にその命を吸われていく。
何か、この魔物達を生み出す根元があるはずだ。
しかし、魔物は多くてきりがない・・・
アセルス「ひとまず、逃げようかなぁ。」

クローディアとアイシャはすぐにも加勢しようと思ったが、下手な加勢は
かえって逆効果になることも、彼女たちは熟知していた。
強さ敵にはそう強い魔物がそろっているわけではない。
しかし、数が多い。
クローディアは多数の敵を相手にする術を修得していなかったし、
得物も弓では、攪乱にはなるものの一撃で仕留める威力にはならない。
アイシャの得意とする大地の力を借りた術や技も、この瓦礫の山では
味方を巻き込みかねない。
アイシャ「アルベルト・・・大丈夫・・・?」
微かに見えるアルベルトの戦いざまを見て、アイシャは胸が熱くなった。
術や技が使えなくても、自分もアルベルトと共に戦いたい・・・!
アイシャ「私、いくっ!」
クローディア「あ・・・っ!」
制止する間もなく、アイシャはアルベルトの方へ駆けだしてしまった。
クローディア「仕方ないわ・・・ウォーターガン!!」
援護射撃の超圧縮された水鉄砲を発射する。
あまりの圧力で打ち出された水の塊に、魔物は一体押しつぶされる。
クローディア「援護射撃をするわ、アイシャ!」

アセルス「ん?」
アセルスはアイシャの頭上に迫る赤い骸骨の魔物の姿を見た。
彼女は全く気がついていない。
アセルス「・・・世話が焼けるなぁ・・・」
ふっと彼女の手に一本の剣を呼び出す。
アセルス「わが僕よ!呼び声に応え、彼の者を守るべし!」
剣に一匹の黒豹の姿が映る。
アセルス「死を呼ぶ黒豹よ!死ある者にさらなる死を!」
アセルスの呼び声に応え、黒い豹は一瞬にしてアイシャの頭上に姿を現した。
そして、眼前まで迫っていた赤骨の魔物に食らいつき、その死骨に
宿った汚れた魂を喰う。
黒豹「グルゥ・・・」
満足げな鳴き声を残して、黒豹は虚空へと去っていった。
当のアイシャは助けられたことに気がついていない。
アセルス「やれやれ・・・」
05/24/2000