再開のSaGa


ジニー「本当なの?」
リッチ「ああ。」
ジニーは目の前にいる頑強なディガーが自分の父親だと、どうしても
受け入れられなかった。
彼女にとって父親は遠い悠の存在であり、身近で見られることなど
あり得てはならないことだったからである。
父の、肖像画すら、ジニーには記憶にないものだったのだから。
リッチ「何なら・・・ディアナの所にでも行くか?すぐに確かめられる。」
プル「そうですね・・・このことは一度タイクーンにお話しする必要が
   在りそうですから。」
リッチ「ああ。でも・・・親父が、二人存在してるって事になんないか?
    それじゃあ、矛盾が生じるだろ?」
リッチはここでようやくふとした疑問にぶつかった。
自分はこの時点では既に本来ならば死んでいる人間。
しかし、親父のことだ、この時代まで生きながらえていても不思議じゃない。
ならば、この時代に二人のタイクーン・ウィルが存在することになる――
ウィル「それはないな。」
突然、さっきまで深い眠りについていたウィルが立ち上がり、
そして言った。
ウィル「俺はまだ駆け出しのディガーであるウィルでもあり、タイクーン
    となって未だに長く生きている80代のウィルでもある存在
    になったんだ。」
初めは、その場の誰もが彼の言った意味を理解しなかった。
しかし、いち早くこの意味に気が付いたのはグスタフだった。
グスタフ「では、二人の存在が融合した、とでも?」
ウィル「平たく言えば、そうなる。ただ、どうして若い頃のウィルとして
    存在しているのか、そればかりはわからない。」
リッチ「・・・信じられねぇ・・・」
リッチの言葉はウィルを含めたその場全員の意見だった。
誰がこんな事を信じられるものか。
この時代のウィルでも、昔のウィルでもない。
では、今目の前にいるウィル・ナイツは一体・・・
リッチ「・・・こんな時にエレノアがいないなんてな・・・」
プル「?エレノア?」
リッチが臍をかんだ一言に、プルミエールは過敏に反応した。
プル「その方なら・・・私、居場所を知っておりましてよ。確か、
   中央の方でアニマの研究をなさってるはずですが・・・」
ジニー「あ、あたしも知ってる〜〜!小さい頃、よく遊びに来てくれた
    んだよ〜!」
リッチ「何!?本当か!」
多くが信じられないことだらけでも、エレノアの存在がこの時代にも
在るというのなら。リッチは少し希望が湧いた。
自分と共に生きたエレノアではなくても、彼女の知識は良く知っている。
きっと、何とかしてくれるだろう。
一同の目的地は、決まった。
砂時計は、動き出したのだ。
04/02/2000