神と呼ばれる者達。
ある者は、邪悪な神。ある者は正義を司る神。
ある者は・・・
神々は、数多にいる。
しかし、自らその姿をさらけ出すことはない。
滅多なことがない限り。
黒い服の男は、手の中の卵形の物体を眺め、わずかに微笑む。
「私が神なのだ・・・他の者達とは違う力を、私は手に入れたのだ・・・」
思えば、あらゆる神々は自分の才能を恐れていたようにも思える。
創造の力を。
そして、彼は創造した。
自分の力を何倍にも高める、最高の生命を。
それが、エッグ。
「あの女神にも負けはせん・・・」
忌々しい女神の姿が目に浮かぶ。
そうだ、かの女神は自らの姿を77にわけ、眠りについたではないか。
ソールとか言う厄介者も、身動きがとれないらしい。
あの邪神どもも、宝石に封印されたり、冥界に追放されたりして、手出しは出来ない。
太古の英雄達も、直接的にではないにしろ、なかなか自分の助けになってくれる
だろう。相手に回すとやっかいだったが・・・
そして神の気まぐれが生んだ、運命の子供。
アレは失敗だった。
神の力に等しい力を持つ人間が、地上にいるのだったから。
しかし、それも心配はいらない。
じきに、どうにかするつもりだ。幸い、力の覚醒はまだのようだ。
これで良い。
あとはこれで、運命の歯車を操る人間の女次第で、自分は・・・
笑いが堪えきれない。
全ては、自分の計画通りなのだ。
そう、神を超越した神になるための・・・
世界は、そのために一つでなくてはいけない。
そのためにわざわざ次元をゆがめてやってるのだ。
そのうちに、彼らは神の助け無しで空間を移動するだろう。
その時が、その時こそが・・・
ほくそ笑む、その顔は邪悪に歪んでいた・・・
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