時間のSaGa


> エミリアはまたレンと喧嘩をした。
>エミリア「さいあく〜!!」
>    「レンったら、またデートキャンセルだって!!これで何回目よ!」
>誰もいない道で一人、エミリアは愚痴っていた。
>エミリア「もう、人の気も知らないで・・・」
>    「バカラにいって、ギャンブル狂になってやる〜!!」
>そして、エミリアはリージョンシップ発着所へと足を運んだ。
>エミリア「クーロン行き、お願いします」
>クーロンからは、大体のリージョンへ行くことが出来る。
>しかし、誰も行ったことのない方面や、危険な、例えばファシナトールなど
>へは、直通でいけないのだ。
>それに、まだまだこの世界には知らないことが多かった。今解明されてる
>リージョンなど、まだまだほんの一端であるだろう。
>エミリア「しかし・・・誰か、私たちに知らないリージョンからきてくれる
>     ひと、いないのかなあ・・・」
>いつも、リージョンシップに乗るときエミリアはそう考える。
>毎日の生活だけでは、彼女は物足りないのだ。
>他の乗客員「あっ、すみません!」
>見ず知らずの人が自分にぶつかってくる。
>これが、運命の出会いだったらいいのに・・・
>アナウンス「間もなく、クーロン行きのシップが発着いたします。
>      お乗りの方は、お急ぎでご乗車下さい。繰り返します・・・」
>エミリア「ふぅ・・・そうそう、良い話なんてあるわけ無いわよね・・・」
>そう言って、彼女はシップに乗った。
>
>そこから遠いリージョンにて・・・
>クローディア「森の神、エリス・・・私に何の用ですか?」
>エリス「クローディア・・・これから貴方達の身に大きな出来事が起こります。
>    世界も、歴史も全てを巻き込んだ・・・」
>クローディア「では、ここ数日で森が騒いでいるのも・・・!?」
>エリス「そうです。そのことを感じているのです。」
>クローディア「・・・」
>エリス「クローディア。これから私が言うことを、しっかりと聞きなさい。
>    この世界は[リージョン]と言う大きな島なのです。
>    だから、本当はこことは全く異なった世界が存在するのです。
>    お互いに、二度と干渉しないように、それぞれが遠く離れて
>    いるのですが・・・それがまた、古のように一つになろうと
>    しています。それを、貴方達は防がなくてはなりません。」
>クローディア「そんなこと・・・」
>エリス「ええ・・・今のあなたには理解は難しいでしょうが、いずれ分かり
>    ます。それまで・・・いや、いいでしょう。私に言えるのはここま
>    でです。あとは・・・」
>クローディア「エリス!!まって、まだ話は・・・!」
>クローディアの呼びかけは届かなかった。
>そしてまた、エリスはいつものような静けさを湛えていた・・・

リッチ「う・・・うぅん・・・」
エレノア「気が付いた?」
リッチ「ここほ・・・?」
エレノア「まだろれつが回ってないわね・・・でも、私も何か変な
     感じがするのよ、ここ・・・」
リッチ「変なって・・・ここ、ウェスティアじゃねえか。」
エレノア「いいえ。私たちの知ってるこことは違ってそうよ・・・ 
     見て。あの家・・・あんなに新しかったかしら?
     ほら、そこも・・・」
リッチ「言われて見れば・・・おかしいかもな。」
エレノア「でしょう?じゃあ、情報収集に酒場でいっぱいやりますか。」
リッチ「結局それか・・・いいさ、どうせ大したことじゃないさ、気楽に
    いくか・・・」
実は大したことだったのである。
エレノア「ん?」
先に酒場に入ろうとしたエレノアが入り口で足を止めた。
リッチ「どうした?」
エレノア「何か、変な連中がいる・・・」
リッチ「どれどれ・・・」
リッチが中に入った時、彼の目には一人の女性が映った。
リッチ「(かあさん!?)」
エレノア「どうしたの、リッチ?」
リッチ「いや、母さんは死んだんだ、葬式にだって出た・・・」
エレノア「はぁ?人違いじゃないの?」
リッチ「誰が親の顔を見間違うヤツがいるか。あれは、正真正銘の・・・」
エレノア「そんなわけないでしょう?あそこにいるのは若い女の子よ。
     あなたよりも年下のひとが、母親なんて・・・」
リッチ「確かめて見れば良い話さ。」
エレノア「ちょ、ちょっとリッチ!」
エレノアが止めるのも聞かず、リッチは母親らしき人の近くに歩み寄った。
リッチ「すみません。あなたはここで何をしているのですか?」
少女「私ですか?私は仲間を待ってるんですけど・・・」
リッチはすぐにその仲間と言うのが自分の父親達だと分かった。
青年の声「おーい!!コーディー!!」
コーデリア「ウィル!!ナルセスさんも、タイラーさんも!!」
ウィル。コーディ。ナルセス。タイラー。
みんなリッチには見知っていた顔だ。そうなのだが・・・
リッチ「若い・・・」
ウィル「若いだって?」
ウィルがリッチの言葉に素早く反応した。
ウィル「僕たちには経験が足りないと言うのか!?」
リッチ「そう言うことで言ったんではないですけど・・・」
ウィル「では、どうだと言うんですか!!」
リッチ「いや、それは・・・」
自分より年下とはいえ、自分の父親には強いことは言えない。
若かった頃の父は、かなりの丈夫な青年だった。
エレノア「まあ、まあ。私たちは有名な貴方達と一緒に旅がしたくて
     ここに来たんですから。」
ウィル「本当か・・・?」
エレノア「本当よ。」
ウィル「・・・ナルセスさんどうしますか?」
ナルセス「まあ、お前次第か・・・」
ウィル「そうですか・・・コーディは?」
コーデリア「私はにぎやかなのがいいなあ・・・」
コーデリアの一言でウィルは決心したようだ。
ウィル「分かった。頼みます、お二人方。」
リッチはエレノアの助け船に感謝した。
ちらりとエレノアの方を見ると、之も貸しね、と手振りをしていたので、
リッチは目をそらせた。
ともあれ、二人は何も分からないままウィルと一行する事になったのだ。
05/21/1999