世界のSaGa


>>> ここはとある村・・・
>>>エレノア「リッチ!あなたまた金を落としたんですって!?」
>>>リッチ「そう怒鳴ることもないだろうに・・・」
>>>エレノア「これが怒鳴らずにいられますか!!!」
>>>エレノアとリッチの二人はハン=ノヴァ近くの村に来ていた。
>>>そこで、名前とは全く逆に金銭感覚が0のリッチがまたお金を落としたらし
>>>く、エレノアにまた怒鳴られている。
>>>エレノア「全く・・・このままじゃ、フィリップ様に合わせる顔無いわ・・・」
>>>リッチ「悪かったな。」
>>>エレノア「はぁ・・・もういいわ。アンタといれば気が滅入るわ・・・」
>>>リッチ「また皺が増えるぞ。」
>>>エレノア「やかましい!!」
>>>
>>>この二人がハン=ノヴァへと足を運んだのには理由があった。
>>>エレノアが少し気にかかったことがある、と言うのでリッチも何故か同行
>>>しているのだ。その主な理由は、リッチがエレノアにたくさん借りがあるので
>>>(その大半は金銭トラブル)無理矢理エレノアが連れてきたということだ。
>>>そして、ここはハン=ノヴァの図書館。世界第一の規模を誇っている。
>>>ただし、エレノア曰く、
>>>「私の方が知識が豊富」なのだが、どうしても判らないときはここに
>>>来るらしい。今回もそれだ。
>>>エレノア「これじゃない、これでもない・・・」
>>>リッチ「暇だなぁ・・・」
>>>エレノア「これも違う、ああ、ないわ、ない!!」
>>>リッチ「することないなぁ・・・」
>>>エレノア「どれかしら、ああ、これはさっき調べたヤツ!」
>>>リッチ「こんな時は俺も本でも読むか・・・」
>>>リッチがそうして本棚に手を伸ばし、本を取ろうとしたとき・・・
>>>リッチ「うわっ!!」
>>>ダァァァァ!!!
>>>本は全て本棚から落ちてしまった。
>>>エレノア「ああ!!なにしてんのよ!!」
>>>リッチ「やっちまった・・・」
>>>エレノア「あぁ・・・これで当分ここには来れないわね・・・」
>>>エレノアが諦めかけたその時。彼女の目に一冊の本が留まった。
>>>エレノア「これ・・・これだわぁーーー!!」
>>>リッチ「うるせえな・・・」
>>>エレノア「リッチ、見つけたわ、遂に見つけたのよ!!」
>>>リッチ「何を?」
>>>エレノア「この世界の成り立ちについてよ!!前に見たときは嘘半分だと
>>>     思って馬鹿にしてたけど・・・」
>>>リッチ「へえ。んで、それで何するんだ?」
>>>エレノア「さあ。それはお楽しみにしておいて。じゃ、早速行くわよ!」
>>>言うが早いか、エレノアは本を持って外に走り去っていった。
>>>リッチ「でも・・・何するんだろう?」
>>>そして、リッチも足早にエレノアの後を追いかけていった。
>>>
>>>この後、エレノアとリッチがしたことで世界は大きく変わってしまう。
>>>が、まだそれは誰も知ることはなかった・・・
>>
数日後・・・
エレノア「リッチ・・・どういうこと?私はみんな集めろっていったはず
     だったわよね・・・」
リッチ「ああ、それならレイモンはおなかが痛くて、パトリックはペットの
    散歩だそうだ。ああ、ディアナはおじいちゃんのトコに墓参りだって
    さ。おおっ!わすれてた、サルゴンはデートだそうだ。」
エレノア「・・・」
リッチ「俺だって本当は今日はバイトがあるから来たくなかったんだけど、
    来なきゃまたお前に何かされそうで・・・」
エレノア「も、いいわ。あなた一人で十分よ。」
リッチ「?いつものエレノアらしくないなぁ・・・?」
エレノア「それでも、あなたは来てくれたでしょ?私はそれが嬉しいのよ。」
リッチ「はぁ?」
いつもの気丈なエレノアとは違い、今日の彼女は少し変だった。
いつもなら、こんな会話は100%あり得ない。
天地でもひっくり返らない限りは。
リッチ「なんか・・・世界がおかしくなりそうだぜ・・・」
エレノア「・・・それ、冗談のつもり?」
エレノアのその声には緊張感がこもっていた。
リッチはこの言葉の意味をエレノア切れる一歩手前発言だと思ったので、
つい条件反射で
リッチ「いや、冗談です!」
エレノア「ねえ、でもそれが冗談じゃなくなるかもよ・・・」
リッチ「お前こそ冗談きついぜ。どうしていつもと違ってそうしんみりなんだ
   よ?俺じゃなくてもこの世界観を疑うよ。」
エレノア「そう・・・なら、心の準備はOKなのね。」
リッチ「?それはどういう・・・」
リッチが聞くが早いか、エレノアは何かしらの術を唱えている。
いつもの術とは何かが違うようだ。
リッチ「これは、一体・・・」
エレノアが魔法陣の上に何かを掲げると、途端にリッチの中で何かが揺れた。
リッチ「どどど、どうしたんだ!!??」
地面が揺れているんじゃない。
心が、揺れているのだ。
エレノア「リッチ!!私の手に捕まって!!早く!!!」
その声にリッチは機敏に反応した。
そると、何か別の空間が彼らを包んだ。
「うわーーーっ!!」
05/20/1999