直線上に配置
これ読んだ感想を
お聞かせください!
☆救急外来に頭痛の患者さん(ワタシのネタにはよく頭痛がテーマになるが・・・)が来た。聞くと家で計ったら血圧が高かったと言う。

☆実際計ってみると、たしかに168/98mmHgと少し高い。そこで問題!医師はアダラートを舌下(短時間で血圧を下げる薬を口の中の舌の下に搾る処置)して10分後の血圧が145/88mmHgに下がったのを確認すると帰宅を命じた。「また明日の午前中調子が悪かったら来て下さい。」

☆さて、アナタは安心して帰宅し、翌朝この医師の元へ再び訪れるでしょうか?

☆『ハイ』と答えたアナタ。それでは、さらに質問!アナタは交通事故足を骨折した。救急外来を訪ねたら、医師がおもむろに血圧を計り「少し血圧が高いですね」とアダラートを舌下して「また明日来て下さい」と言った。アナタは翌日この医師を信頼して受診するでしょうか?

☆まだ分からないアナタへ、もう一問。アナタは虫歯が痛くってある歯科医師のもとを訪れた。その歯科医師はおもむろに血圧を計り「少し血圧が高いですね」というと、アダラートを舌下して・・・

☆もうエエ?分かった?・・・上の頭痛の患者さんのケースなど、日頃よく近くの医院や、時として大きな病院でも日常的に行われがちな処置・治療なの。

☆たしかに、血圧が高くって頭痛がくる場合もある。ケド、それは250/130mmHgなどと云う、日常起こりえない血圧の場合なの。(これを高血圧性脳症と呼んでいる。)168/98mmHgなど日常茶飯事の血圧で頭痛なんか起こしていたら、その人は自転車で買い物に出かけたり、布団干したり、階段3階まで駆け上がったりしたら、しょっちゅう頭痛が起こって大変や。

☆逆に短時間で血圧を下げなければならないケースは、解離性大動脈瘤(大血管の壁が裂け時として破裂する病気)やクモ膜下出血(脳動脈瘤の破裂などで起こる頭蓋内のクモ膜下腔への出血)や高血圧性心不全・脳症(血圧が高い結果として心臓に負担がかかったり、頭痛・嘔吐・意識障害を来す状態)など高血圧性緊急症と呼ばれる病気くらいや。

せやから頭痛の患者さんに血圧を下げるだけの処置でご満悦の医師は、前述の骨折や虫歯の治療に降圧剤を出しかねんと云うコトや。(・・・とワタシは思う)

鶏が先か卵が先か・・・。この場合血圧の上昇は頭痛の結果として起こったと思われるから、頭痛の治療をするのが正解!実際、何処かに痛みがあると血圧は上がるモノやし、ストレスや不眠で血圧も上がるケド、頭痛も来る(なんべんも出てくる『筋緊張性頭痛』別名『ストレス性頭痛』やねぇ〜)ということ。

☆頭痛が治れば、血圧も正常に戻るっちゅうこっちゃ。今回は笑いは少ないケド、勉強になったネ!

( ※ この記事は10月9日以前に書かれたものです。現在は好ましくないとされています。)
◇血圧が高く頭が痛い!鶏か卵か!?◇

(このページではかなりDr.Eikaの独創的な世界があります。信じるも信じないもアナタ次第!)